教授挨拶

顔写真

医療情報企画部は、病院の基盤を支え、医学・医療を革新する情報技術や医療情報学・病院経営学的知見を生み出し、未来を担う医療情報技術者・病院経営実務者・医療情報科学者・病院管理科学者を育てる役割を負っています。

情報革命の真っ只中にある今、情報化時代の新たな医療のあり方を切り拓き、創り上げていくことを目指して参ります。私たちの活動へ、様々な形でご参加いただきますよう、よろしくお願いいたします。

業務について ー基盤を支えるサービスプロバイダー

本部門は、日本最初の国立大学病院情報処理部門として1970年に設置されて依頼、その役割の変化と伴に、中央情報処理部(1970年)、医療情報部(1982年)、医療情報企画部(2011年(要確認))と名前を変えながら、一貫して京大病院の基盤を支える役割を果たして来ました。

現在、医療情報企画部は、診療録管理、情報基盤整備、病院経営企画の三つの役割を、病歴管理室、医療情報企画部、病院運営企画室と三つの顔を持ってそれぞれ担当しています。

医療情報企画部の構造の図

診療録管理においては、2005年に電子カルテを導入して以降、徐々に電子保存の範囲を広げ、現在ではほぼ全ての新しく発生する診療記録を電子的に保存しています。京都大学医学部附属病院総合医療情報システム(通称
KING)は、診療記録を利用者の考えた構造を持って保管する仕組みを有しており、日常の臨床活動を行いながら、各種コホート研究等に供する情報の蓄積を行うことを可能にしています。情報部門では、蓄積された情報の抽出・分析作業サービスも提供し、日常の臨床活動のみならず、臨床研究の支援も実施しています。

情報基盤整備においては、病院全体を支える情報サービスプロバイダとして、電子カルテなどの病院情報システムだけで無く、手術動画や講義・講演画像のオンデマンド配信、インターネット接続サービス支援や電子メールサービスの提供など、教育・研究・診療活動の全てを支える、情報インフラの整備を行っています。また、地域連携を支える医療情報交換基盤や、遠隔講義基盤など、京大病院の地域連携活動を支える情報環境整備も進めています。

研究について ー情報と医学・医療の出会いの全てがここにー

古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスが世界を構成するのはロゴス(言葉・論理)であるとし、アリストレスがロゴスの連環の体系である論理学を構築して「万学の祖」と呼ばれるようになったように、古来より学問とは世界を記述し説明することでした。情報学は、人の社会活動を含む万物の現象を情報の生成・収集・伝達・表現・認識などの全ての過程を対象とする学問です。ですから、情報学の研究は常に「そうだ記述しよう」からはじまります。ロゴスの全ての過程を取り扱う情報学は学問そのものであるといっても、過言ではありません。

医療情報学は、医療という社会的活動を情報活動の側面から捉えて考究する学問です。したがって、情報の流れを制御する電子カルテ、診療現場のデータを取得するセンサネットワークと、これをユーザに認識させる表現方法を探るユビキタスコンピューティングからはじまり、情報の伝送、蓄積、分析、表現まで、情報技術と医学・医療が出会う、長い長い前線の全てが研究のフィールドになります。

医療情報学の範囲の図

一方で、対象とするのは医療という社会そのものですから、
フィールドに切り込むための手段となる学問分野は、情報学と医学にとどまりません。ヒューマンインタフェース等の工学と心理学などが出会うところから、経営学や社会学などの人文科学に至るまで多岐にわたります。使える手段を全て使って、前線の延びきった戦いに望む、それが医療情報学の研究です。

もちろん大学の一つの研究室が自分達の力だけで全ての手段を備え、全ての前線で戦うことは不可能です。京大病院
医療情報企画部では、国内外の多くの大学・研究機関・企業体の力を借りながら、一つずつ目の前の問題に取り組んでいます。

教育について ー現場と向き合い学問を修めるー

京大病院 医療情報企画部は、京都大学の医療情報学の教育を担当する大学院講座でもあります。本講座は 京都大学大学院 医学・医科学研究科
医療情報学教室 として医学系大学院生を、京都大学大学院 情報学研究科 社会情報学専攻 医療情報学講座
として情報学・工学系大学院生を受け入れています。

本講座は、工学系・情報学系学生にとっては、実際の臨床現場で修士・博士研究が行える、日本でほぼ唯一の研究室です。また、医学系学生にとっても、情報学・工学系学生と直接対話しながら研究が行える数少ない研究室の一つです。海外研究機関との共同研究も実施しており、言葉・文化・研究分野の異なる多くの研究者と交わりながら、本当の学際的研究が体験出来る環境を提供しています。

本教室では、情報化が進んだ社会の有り様をデザインする能力を備えた人材を育てることを目指しています。具体的には、自らが立脚する学問・技術に対する本質的理解、他者の社会活動や新技術に対する旺盛な好奇心、その理解と興味を立脚する分野の異なる人と共有出来る高い対話力の三つの能力の醸成を目指します。そのために、多国籍・多分野の学生が臨床現場との接点を保ちな
がら共に考えられる環境を学生の皆さんに提供します。

医療情報学講座の育てる人材の図

情報化時代の医療の有り様を紡ぎ出す作業に、是非参加して下さい。